過払金返還請求における「一連取引」と「分断取引」との違い
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今日、書店に立ち寄ったら、私の高校時代(25年以上前になる)に読んでいた「大学への数学」という受験月刊誌が目についたので思わず買ってしまった。高校時代は数学が好きで、かつ、この雑誌の問題を解くのが好きだった(言わばクイズみたいなもの)。ただし、この雑誌についていた「学力コンテスト」という添削問題は一度として応募したことがない。私の高校にはこの「学力コンテスト」に優秀者として毎回載る化け物みたいな人がいた。顔は知らなかったのだが、名前だけは毎回載っていたので、とてもすごい人だなぁとはなはだ感心したものだ。
というわけで、本日は、過払金返還請求において「一連取引」とか「分断取引」言われる取引について、その違いが過払金等にどうして影響してしまうかということを算数的に検討してみたい。
結論から言えば、「一連取引」という、つまり、最初の借入日から最終取引日までをひとつの借入枠型の基本契約書に基づいて借入・返済を繰り返すような取引であったのであれば、過払金の計算上、もっとも有利なことになる。
一方で、「分断取引」と言われるような、たとえば最初の借入後一度完済と同時に基本契約を完全に解約し、それから例えば5年経過した後にまったくの新規で借り入れた場合、最初の借入と2回目の借入は別々の取引と考えることになり(もっとも、諸々の条件によっては「一連取引」とみなせる場合もある)、過払金の計算上、不利になる。また、最初の取引の完済日から過払請求時点までの間に10年以上の期間が経過していると相手方から最初の借入期間の過払金については消滅時効を主張される可能性もある(なお、不法行為として構成して過払金を回収した事案もあるようであるが、現時点ではあまり多くない)。
計算については下記のPDFを見てほしいが、消滅時効にかかっていない場合の「一連取引」とするか「分断取引」とするかによる過払金の違いは、過払金に対する利率が法定利率で5%であるのに対し、貸金業者が受領できる利息制限法の法定利率が15%~20%(借入額により適用される利率が異なる)となっており、消費者側と貸金業者が受け取る利息に違いがあることによる。
たとえば、PDFファイル上で明らかなとおり、「分断取引」の場合、過払金については107,172円の元金に対し、以後5%の利率で計算された利息を受け取るのに対し、再借入時の借入額500,000円に対しては利息制限法の18%で計算した利息を支払わなければならない。単純に考えれば、年間で
500,000円×18%×1年-107,172円×5%×1年 = 84,642円
の利息を支払わなければならないのである。
これに対し、「一連取引」の場合、は再借入時の元金500,000円からその時点の過払金元金107,172円を差し引けるので(注:過払金の利息を元金に組み込む計算の場合はこの計算とは異なります)、
(500,000円-107,172円)×18%×1年 = 70,709円
の利息を支払うことになる。
したがって、この事例の再借入時点の1年の利息は13,933円(=84,642円-70,709円)も違ってくる。最初の借入取引の過払金がもっと大きな金額になってくると、この利息の差額ははるかに変わってくるのである。
昨日、当事務所で計算した事案でも一連取引として計算すると過払金が80万円くらい出ているにもかかわらず、分断取引として計算すると最初の取引が消滅時効にかかり数万円の過払金しか発生しないというものがあった。一連取引とみなせるか否かは依頼人本人からのヒアリング次第だ。「一度完済して2年後に借りたが、別に新たな契約をしたことはなく、貸金業者のATMに既存のカードを入れたら借りられたから借りた」という状況であれば基本契約はひとつと考えられるから「一連取引」で計算できると考えてよいだろう。
「一連取引」と「分断取引」による過払金の金額が異なることを説明したPDFはこちら。「ichiren_bundan.pdf」をダウンロード


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